先日ご紹介した『メディカル・ミディアム』という本、面白いですが、私はそこまで厳密に実践していません。すでに書いたように、果物と野菜を食べる量を増やして、毎朝セロリスムージーをちょっとだけ飲んでいました。が、4カ月くらい頑張って飲んだセロリスムージーは、効果もいまいち感じられないし味もおいしくないのでやめました。その代わり、朝の空腹時は、はちみつレモン(すりおろし生姜入り)を飲んでいます。こちらもメディカル・ミディアムオススメのものです。こちらの方が味がおいしくて、続けられそうです。やっぱりおいしいって大事ですよね。
今までいろいろな食事法に興味を持ってきましたが、どの方法にも必ず一定数の狂信的な信者がいます。これこそが唯一の正しいやり方だとか、効かないのは自分勝手な解釈で中途半端にやっているからだ、とか説教してくる人がいて鬱陶しい思いをたくさんしてきました。確かに自分で実践していい!と思ったものは、他人にオススメしたくなります。人間の赤ちゃんの発達段階で「指さし行動」というのがありますよね。1歳くらいになった赤ちゃんは何か興味を惹かれる対象を見つけるとそれを指さして、その後に母親の顔を見ます。これは人間特有のもので、他の動物、高度な認知能力を持つチンパンジーさえもやりません。ということは、人間なら誰しも、自分が感じたものを他人と共有したい・伝えたいという衝動があるということですね。なので私もこうして、時々ブログで長文アウトプットをすることで心のバランスを保っているわけです。
カルト宗教はこの人間の性質を利用して信者に勧誘活動をさせます。自分の実践している食事法を押し付けたりマウントをとったりするのは、カルト宗教の勧誘と同じになってしまいます。自分自身もそんな狂信者にならないように、ここで食事法とそれを信仰する心理についてまとめておきたいと思います。また、『メディカル・ミディアム』に出てくる‟聖霊”という存在についても考察したいと思います。
以前、ヴィーガンで完全砂糖抜きをしている女性と知り合いました。確か、その方の信じている説では生野菜と果物もNGでした。なので、いつも砂糖や生野菜を食べることがどれだけ体に悪いかということを、延々とレクチャーしてきて正直うざかったです。はたから見るとその女性はとても不健康そうでした。当時彼女は30代後半でしたが、髪の毛の半分くらいはすでに白髪になっていて、お肌も干からびてボロボロ、生理の時には生理痛が酷すぎて寝込んでしまい約束を無断ですっぽかすこともありました。自分の体の声を無視して他の誰かの唱える説を妄信するとこんなにも老けて不健康になってしまうんだな。。ということをこの女性から学びました。
不健康になるどころではない事例もあります。
不食で世界的に有名なオーストラリアのジャスムヒーン(エレン・グレーブ)さんの本を読んで信じて実践した結果、餓死してしまった人が少なくとも5人います。5人というのは公表されているだけの数字なので、実際にはもっとたくさん餓死していると思われます。
1998年、オーストラリアのテレビ番組「60 Minutes」が、本当に飲まず食わずで健康に生きられるのか検証するために、このジャスムヒーンさんをカメラで監視する実験を行いました。結果、わずか48時間後に高血圧、脱水の症状が現れはじめ、彼女はこれを空気が悪いせいだと主張したので、実験場所を山の中の施設に移しました。しかし、それでも彼女のしゃべる速度はどんどん遅くなり、瞳孔は拡張し、6キロほど体重が落ちてしまいました。4日後には、10%の脱水状態に陥り、脈拍数が開始時の2倍になり、ついにドクターストップがかかりました。あーあ、これでインチキ確定だね…となりそうですが、いまだに彼女は活動を続け、高額なセミナーを主催し、世界中に信者がいるようです。
続きを読む 食と不食と健康と信仰と(メディカル・ミディアム 補足)