神話の力

最近ヨガをやっていた時、ふと、「ヨーガはヨーガによって教えられる」って誰かが言ってたけど、こういうことか…みたいな腑に落ちる感覚が自分の中でありました。
で、この言葉、誰が言ってたんだっけ?…あ、そうだ、ジョゼフ・キャンベルだ!…と思い出し、昔保存してあった彼のインタビュー動画を久しぶりに観てみました。
すごく古くて画質の悪い動画でしたが、今見返しても面白かったです。ツッコミどころや批判も多々ありますが、彼の言葉はやはり心が揺り動かされます。自分で深く考えるきっかけになります。
誰かYoutubeでupしてないかなぁと探したら、いくつかありました。やはりどれも画質はよくないですが、私が持っている動画よりはだいぶ綺麗でした。
神話や深層心理学に興味のある方にオススメです!

これらは、1985年から翌年にかけてテレビ番組として製作された、ジャーナリストのビル・モイヤーズとの対談シリーズです。内容は、『神話の力』という本でもまとめられています。

動画はVol.1~Vol.6まで6つのパートで構成されています。
Vol.1英雄伝説
Vol.2神と人間
Vol.3古代の語り部
Vol.4死と再生
Vol.5愛の女神
Vol.6永遠の仮面
です。順番に貼っておきます。





 

ジョゼフ・キャンベルについてざっくりと知りたい方はこちらの動画がオススメです。

 

あれ?ちょっと待って…
「ディープステートという怪物(モンスター)と戦う“英雄”のトランプ大統領」というストーリーは、一部のキ〇ガイにとっては“神話”となりうるのだろうか???
ちょっとした疑問が湧いてきて考えてしまいました。“神話”ってそもそも実話ではないしな…
ってことは一部のキ〇ガイにとってはトランプは“英雄”なの?

ここで一旦、ジョゼフ・キャンベルの言う、“神話”と“英雄”の定義をまとめてみます。

  • 神話とは:人間の内的体験や宇宙の根本的な真理を象徴的な物語として表したもの。人生の意味や世界の構造、そして人間がどう生きるべきかを示すための地図でもある。
  • 英雄とは:自己を超えた何か——超越的な存在、真理、あるいは共同体のために——旅立ち、試練を経て変容し、帰還して他者に恩恵をもたらす者。自己超越を遂げ、得た知恵を世界に還元する者。それは神話の中の人物であると同時に、私たち一人ひとりの内に潜む可能性でもある。

ああ、よかった…この定義から考えると、トランプは“英雄”じゃないし、ネット上のデマストーリーは“神話”ではないですね。逆にトランプや立花孝志、そういったものに操られる強烈で巨大な悪意という“怪物”と戦っている人たちこそ“英雄”ということですね。
本当に頭が下がります。ネット上にとぐろを巻いている、あの得体の知れない匿名の邪悪なもの、あんな“怪物”と戦うなんて、私にはできません。正直、私なら逃げます。あんなものとどうやって戦うのか、どうやったら勝てるのか全く分かりません。逃げられない立場に追い込まれたら戦うしかないですが、今戦っている人達はそういう方も多いかもしれません。つまり、自分では意図せずに“英雄”の役割が回ってきてしまった、ということですね。
もちろん、こんなことは許せない!という正義感から、自ら参戦する人もいます。そういう方たちは、弁護士、ジャーナリスト、アーティストなど、何らかの秀でた能力があって、戦闘力が高い人達ですが、それに伴う犠牲の大きさを思うと、やっぱりすごいなぁと頭が下がります。まさに“英雄”ですね。

キャンベルによると、“神話”は時代や文化に応じて進化し続けるものであり、常に新たな形で創られ、再解釈されているということなので、まさに今この瞬間、新しい“神話”が創造されているということでしょうか。

“The hero’s journey always begins with the call to adventure, and the threshold guardian is often a monster—symbolizing the fears and taboos that must be faced and overcome.”
(英雄の旅は常に冒険への呼びかけから始まり、門を守る者として怪物が現れる。それは、直面し乗り越えねばならない恐怖や禁忌を象徴している。)
千の顔をもつ英雄』より引用

この考察の続きは、ディープステートシリーズで書く予定です。