絶望的な激痛が奇跡的に治った話(8)

(7)の続きです。

結局スピ系の治療では痛みが治らず、怪しい世界に引っ張られて宗教団体の本部まで行ってしまって、あれ?何やってんだろう?ちゃんと治る方法見つけなくちゃと、焦りはじめました。
痛みが治まらなければ、手術するしかないのです。それは嫌です。でもこの激痛が続くのも嫌です。そこで、そっち系で治したいという願望は手放して、もう少しだけ地に足がついた治療法を探そうか…と考えました。
そういえば、鍼や整体はいくつかやってみたけど、カイロプラティックは行ったことなかったなと気づき、試しにカイロも行ってみようかなと思い立ちました。
適当に検索して、ネットのクチコミも良かった近所のカイロに行ってみました。

そのカイロは自宅から車で10分ほどで行ける場所にありました。ワンルームのアパートの一室で開業しているよくあるタイプの治療院です。
中年の落ち着いた感じの男性の先生が出迎えてくれました。一人で起業&経営しているようです。これもよくあるパターンです。

最初に症状などを用紙に書き込みながら話しました。何を話したかはほとんど覚えていないですが、嫌な印象はなく、信頼できそうな感じだった記憶があります。ただ、気になったのはその用紙の後半に、たしか、“治療計画”と書かれており、その下にサプリなどの健康食品や、治療のための枕やマットなどの健康グッズの名称が並んでおり、それぞれにチェックをつけるための□(四角マーク)がついていました。すべての商品の値段が相場よりかなりお高く、びっくりするような高額なものもありました。
あれ?カイロプラクティックって治療するところだよね??
怪しげなグッズを買わされるってことはないよね??
これが最初に不審に思った点です。

治療が始まりました。前半は問題なかったのですが、途中でその先生は首の後ろのカーブに沿った半円形の枕を、あおむけになった状態の私の首の下に当てようとしました。もちろん激痛です。その当時の私は正面さえ向けず、少しでもあごを上げると腕に激痛が走る状態でした。
思わず「イテ!!」と叫びました。
先生は、「でも、これはいい枕だから。首にいい枕だから。きっと効くから」と、それでも首の下に差し込もうとします。
いい枕なの?でも、やっぱり痛すぎます。
「無理無理無理!無理です!」と拒否すると、やっと諦めました。
そう、この枕は先ほどの怪しげな健康グッズの一つです。先生はこの枕の効力を心から信じているようでした。

治療が終わり、お金を払うと、先ほどの“治療計画”の用紙を渡されました。
その用紙にあった健康グッズのうち、例の枕といくつかのサプリ、それから一番お高いマットの□(四角マーク)にチェックがされていました。
はぁ?これを買えと?
少し怖くなりました。
「これは何ですか?」と聞くと、
「治療が進めば枕も使えるようになると思うし、この枕は首にすごくいいものだから絶対使った方がいい。できればマットも使うと理想的です。このサプリは痛みに効くので飲んだ方がいいですね。まあ強制じゃないですけど・・・」と説明されました。
「それとこれはお土産です」とコラーゲンのサプリをもらいました。
え?これ、痛みに関係ある?
聞くと、コラーゲンのサプリは初回に来たお客さん全員に渡しているそうです。
さらに何枚もの宣伝のチラシをもらいました。

帰った後そのチラシを確認すると、そのすべてが、先生が属するZK会というカイロプラクティック団体の宣伝で、『あなたもカイロプラクティックを学んでみませんか?』といったような内容でした(うろ覚え)。
いやいや、そんなのどうでもいいから、私はこの痛みを消したいだけだから。
しかし、グッズを買わせようとするのは怪しいよなぁ。。。
私は言われるがまま次の施術の予約をしてしまったのですが、不審に思ってその“ZK会”のことを検索してみました。そしてゾッとしました。
例えばこちらがわかりやすいです↓
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11170074821
あとはこちらも↓
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14234891669

うわー、ここもやばい団体だったのか・・
民間療法の業界ってこういうのばっか・・
それほど多くの人が困っていて、多くの人がお金をつぎこんでしまいがちなんでしょうね。
確かに、健康ってお金には代えられないですからね。

私はとりあえず二回目の予約をしてしまったので、次回だけ行ってその後は断ろうと心に決めました。

二回目の施術に行くと、先生は深刻そうな顔をして、
「〇〇さん、あなたの症状はかなり重いんです」と言いました。
おそらく、信じていたあの枕が効かないことが先生にとっては驚きだったのかもしれません。
さらに先生は、
「ちょっとやり方を変えますね。僕が以前学んだオステオパシーでやってみます」と。

オステオパシー???
初めて聞く言葉でした。

その後、先生はとても丁寧に施術してくれました。

私は今日を最後にしようと心に決めていたので、
「次回の予約はどうしますか?」と帰り際に聞かれた時に、
「今はスケジュールがわからないので、また電話します」と伝え、帰りました。

意外なことに、施術後はかなり痛みが軽くなりました。

“オステオパシー”とやら効くのかもしれない。。
あの先生は変な団体に入っちゃっているだけで、独学で学んだ技術は結構すごいのかもしれないな・・・
と、正直思いました。

それ以降、そのカイロには行きませんでしたが、
“オステオパシー”という言葉はずっと心に残りました。

(9)へ続く